W3M(1) General Commands Manual W3M(1)

w3m - text base pager/WWW browser

w3m [options] [file | URL]

はじめに

w3m は，テキストベースのページャ/WWWブラウザです．これを使うと， kterm(1) などのキャラクタ端末上で，ローカルファイルを見たり，WWWの内容を見たりすること ができます．

引数にファイル名を指定すればそのファイルを表示し，URLを指定すればその内容を表 示します．何も指定しなければ，標準入力の内容を表示します．ただし，標準入力が tty(4) である場合には，何もせずに終了します．

オプションは次の通りです．

+番号
起動後，指定の行番号に移動する．
タブの幅を指定する．デフォルトは 8．
text/plainの文書を表示する場合，重ね打ちによる強調文字を表示しない． このオプションを付けない場合， ``A^H_'' はAのアンダーラインとして表示され， ``A^HA'' はAのボールドとして表示される．
標準入力の内容を表示するときに保存される最大行数を指定する． デフォルトは10000．
表示に使う文字コードを指定する.
-I 文字コード
入力文書の文字コードを指定する．
表示する文書のタイプを指定する．この指定がない場合，ファイル名の拡張子によって 自動判別される．判別できない場合はtext/plainとみなされる．
例：
標準入力からHTMLファイルを読んで表示する
HTMLファイルのソースを表示する
Internet messageモードで表示する．Internet messageモードの場合， ヘッダの内容を見て，Content-Type: があればそれを参考にする．電子メールや ネットニュースの記事を読むときに便利．
visual startupモード． コマンドライン引数に URL やファイルを指定していなくても 初期画面が表示される.
Bookmarkを表示する．
Bookmark のファイルを指定する．
カラー表示をしない．
フレームを自動表示する．
連続する空行を1行にまとめて表示する．
w3m 終了時に，以前の画面に戻らない．
端末のタイトル文字列を設定する.
折り返しサーチを使うかどうかを切りかえる．
-o option=value
オプションを指定する．
利用できるオプションを表示する.
プロキシを利用しない．
マウスを利用しない．
クッキーを処理する．
クッキーを処理しない．
行番号を表示する．
URLの内容を読みこみ，整形されたバッファの内容を標準出力に書き出す． 文書の幅は80桁と仮定される．この幅は，次の -cols オプションで変更可能．
-dump オプションを使う場合に，文書の幅を指定する．
文字の幅を指定する．デフォルトは 8.0．
URLの内容を読みこみ，整形せずに標準出力に書き出す．漢字コード変換もされない．
URLにアクセスし，ヘッダ情報を出力する．
URLにアクセスし，ヘッダ情報とHTMLソースを出力する．
URLにアクセスし，拡張情報とヘッダ情報とHTMLソースを出力する．
ファイルの内容をPOSTする．
HTTP要求ヘッダを追加する．
configのファイルを指定する．
ヘルプを表示する.
w3m versionを表示する.

文書の表示内容

HTML文書を表示しているときには，次のような表示になります．

カラー表示時 白黒表示時
リンク 青色 下線
インライン画像 緑色 反転表示
FORMの入力部分 赤色 反転表示

カラー表示時の色は，オプション設定パネル o で変更することができます．

起動後の使いかた

起動した後は，1文字のコマンドをキーボードから入力することで w3m を操作します．

コマンドには次のようなものがあります．以下の記述では， C-x はコントロールxを表します．また， SPC はスペースバー， RET はリターンキー， ESC はエスケープキーです．

ここで書いてあるのは，オリジナル版のキー操作です．

ページ/カーソル移動

次のページを表示します．
前のページを表示します．
カーソルを右に移動します．
カーソルを左に移動します．
カーソルを下に移動します．
カーソルを上に移動します．
画面を1行上にスクロールします．
画面を1行下にスクロールします．
^
行頭に移動します．
$
行末に移動します．
次の単語に移動します．
前の単語に移動します．
>
画面全体を右にずらします．(表示内容を左にずらす)
<
画面全体を左にずらします．(表示内容を右にずらす)
.
画面全体を1文字右にずらします．(表示内容を左にずらす)
,
画面全体を1文字左にずらします．(表示内容を右にずらす)
文書のいちばん上の行に移動します．
文書のいちばん下の行に移動します．
画面下で行番号を入力し，そこで指定した行に移動します． ここで $ を入力すると，最終行に移動します．
カーソルのある位置を行の中央に移動します．
カーソルのある行を画面の中央に移動します．
次のリンクに移動します．
前のリンクに移動します．
[
最初のリンクに移動します．
]
最後のリンクに移動します．

ハイパーリンク操作

現在カーソルがあるリンクが指す先の文書を読みこみます．
現在カーソルがあるリンクが指す先の文書をファイルに保存します．
現在カーソルがあるリンクが指す先のURLを表示します．
リンクに関連付けられた画像へのURLの表示します．
現在カーソルがあるリンクに対応する画像を表示します．
現在カーソルがあるリンクが指す画像をファイルに保存します．
:
URL風の文字列をリンクにします．この機能は，HTMLでない文書を 読んでいるときにも有効です．
Message-ID風の文字列を，news: のリンクにします．この機能は，HTMLでない文書を 読んでいるときにも有効です．
現在の文書のURLを表示します．
=
現在の文書に関する情報を表示します．
ページ中での現在位置を表示します．
URL履歴を表示します．
<FRAMESET>を含む文書を表示しているときに，<FRAME>タグの指す複数の文書を1つの 文書に変換して表示します．
現在見ているページを，外部ブラウザを使って表示します． 2M, 3M, ..., 9M で2番目，3番目，9番目のブラウザを使います．
現在のリンク先を，外部ブラウザを使って表示します． 2ESC M , 3ESC M , ..., 9ESC M で2番目，3番目，9番目のブラウザを使います．

ファイルとURL関係の操作

URLを指定して開きます．
ローカルファイルを指定して開きます．
@
コマンドを実行し，結果を全部読んでから表示します．
#
コマンドを実行し，結果を読みこみながら表示します．

バッファ操作

現在見ているバッファを削除し，一つ前のバッファを表示します．
HTMLのソースを表示します．
バッファ選択モードに入ります．
現在見ているバッファがローカルファイルの場合，そのファイルをエディタで編集しま す．エディタを終了した後，そのファイルを再度読み込みます．
画面を再描画します．
バッファを再度読み込みます．
バッファの表示内容をファイルに保存します．
HTMLのソースをファイルに保存します． v でソースを表示して S で保存するのとほぼ同じですが， ESC s で保存したファイルは漢字コードがオリジナルのままであるのに対して， v S で保存すると現在表示に使っている漢字コードに変換されて保存されます．
現在表示されているバッファを，表示されている形式のままエディタで編集します．

バッファ選択モード

s でバッファ選択モードに入ったときのキー操作です．

一つ上のバッファを選択します．
一つ下のバッファを選択します．
現在選択しているバッファを削除します．
現在選択しているバッファを表示します．

ブックマーク操作

ブックマークを読み込みます．
現在見ているページをブックマークに追加します．

検索

/, C-s
現在のカーソル位置からファイル末尾に向かって正規表現を検索します．
?, C-r
現在のカーソル位置からファイルの先頭に向かって正規表現を検索します．
次を検索します．
前を検索します．
折り返し検索モードを切り換えます．

マーク操作

マークを設定／解除します．マークは反転表示されます．
一つ前のマークに移動します．
一つ後のマークに移動します．
正規表現で指定された文字列を全てマークします．

その他

!
シェルコマンドを実行します．
ヘルプファイルを表示します．
オプション設定パネルを表示します．
クッキー一覧を表示します．
文書の読み込みを中断します．
サスペンドします．
w3m を終了します．オプションの設定によって，終了するかどうか確認します．
確認せずに w3m を終了します．

行編集

画面の最下行で文字列を入力する場合に有効なキー操作です．

カーソルを右に移動します．
カーソルを左に移動します．
カーソルの直前の文字を削除します．
カーソル位置の文字を削除します．
カーソル位置から後を削除します．
カーソル位置から前を削除します．
文字列の先頭に移動します．
文字列の最後に移動します．
ヒストリから一つ前の文字列を取り出します．
ヒストリから次の文字列を取り出します．
ファイル名入力時に，ファイル名を補完します．
入力を終了します．

kterm(1), tty(4)

伊藤 彰則
aito@fw.ipsj.or.jp

2016-04-02 w3m 0.5.3