GNUPLOT(1) | General Commands Manual | GNUPLOT(1) |
名前
gnuplot - 対話型グラフ描画プログラム
形式
gnuplot [X11 options] [options] [file ...]
機能説明
gnuplot は、コマンド入力方式の対話的な描画プログラムです。
コマンドラインから複数のファイル名を与えると、 gnuplot は各ファイルを指定した順番に読み込み、実行し、 そして最後のファイルを処理したら終了します。 ファイルを指定しなかった場合は、 gnuplot は対話型でコマンドの入力を促します。
gnuplot は以下のような特徴を持ちます:
C の演算子や C の数学ライブラリ関数、 そして ** や sgn() などのように C にはないようなものを用いて表現された 任意個数の関数の描画。
ユーザ定義定数、ユーザ定義関数。
複素数の範囲でのすべての計算。デフォルトでは実数部分のみが描画されますが、 これを変更するために imag() や abs(), arg() のような関数が用意されています。
ファイルのユーザデータの描画用の多くの表示スタイル形式。回帰曲面、
誤差線
(errorbars)、箱ひげ四分位
(boxplots)、ヒストグラム
(histograms)、
温度分布、画像データの簡単な処理機能なども持っています。
以下の Web
上に、デモを集めたものが置いてあります:
http://gnuplot.info/demo
非線形の最小二乗法。
2 次元、3 次元描画とマウスによる拡大、回転制御、ハイパーテキスト。
シェルコマンドの実行とコマンドライン置換。
load と save。
極めて多くの種類の出力デバイス、出力ファイル形式のサポート。
オプション
-p, --persist は、 gnuplot プログラムが終了した後も描画ウィンドウを残します。
-c scriptname ARG1 ARG2 ... は、 gnuplot の "call" の仕組みでスクリプト scriptname を読み込み、 コマンドラインの残りはそれへの引数として渡します。
-d, --default-settings は、デフォルトの設定で起動します。 これは、gnuplotrc や ~/.gnuplot, $XDG_DATA_HOME/gnuplot/gnuplotrc を 起動時には読み込みません。
-e "command list" は、 次の入力ファイルを読み込む前に指定したコマンドを実行します。
-s, --slow は、 遅いフォントの初期化を待ち、エラーを出したまま続行することを避けます。
-h, --help は、使用法の要約を表示します。
-V, --version は、現在のバージョンを表示します。
X11 オプション
x11 出力形式に関しては、gnuplot は geometry やフォント、 背景色などの通常の X Toolkit オプションやリソースの指定を受けつけます。 それら通常のオプションについては、X(1) のマニュアルページを参照してください。 gnuplot 特有の追加の X のオプションについては、 gnuplot のコマンドライン上で help x11 として確認してください。 これらのオプションは、他の出力形式では何もしません。
環境変数
gnuplot は多くのシェル環境変数を認識します。必須のものはありません。
- GNUTERM
- デフォルトで使用される出力形式 (terminal) の名前。 これは、gnuplotrc や .gnuplot, $XDG_DATA_HOME/gnuplot/gnuplotrc 等の 初期化ファイルや、 そしてもちろんその後にコマンド "set terminal" で 明示的に指定したものの方が優先されます。
- GNUHELP
- ヘルプファイル (gnuplot.gih) のパス名。
- HOME
- ファイル .gnuplot を検索するディレクトリ。
- PAGER
- ヘルプメッセージの出力用のフィルタ。
- SHELL
- "shell" コマンドの際に使われるプログラム。
- FIT_SCRIPT
- 当てはめ (fit) が中断されたときに実行する gnuplot コマンドの指定 ("help fit" 参照)。
- FIT_LOG
- 当てはめ (fit) の使用するログファイルの名前。
- GNUPLOT_LIB
- データやコマンドファイルの検索ディレクトリの追加定義。その変数は、 一つのディレクトリ名か、または ':' 区切りで複数のディレクトリ名を つなげて書いたものです。GNUPLOT_LIB の値は変数 "loadpath" に追加されますが、 それは "save" や "save set" コマンドでは保存されません。
- GDFONTPATH
- 出力形式の中には gd ライブラリ経由で TrueType フォントを扱えるものが いくつかあります。この変数はそれらの出力形式に対するフォントの 検索パスを与えます。
- GNUPLOT_DEFAULT_GDFONT
- gd ライブラリ経由で TrueType フォントを扱う出力形式のデフォルトフォント。
- GNUPLOT_FONTPATH
- postscript 出力形式が使用するフォント検索パス。 書式は GNUPLOT_LIB と同じです。 GNUPLOT_FONTPATH の値は変数 "fontpath" に追加されますが、 それは "save" や "save set" コマンドでは保存されません。
- GNUPLOT_PS_DIR
- postscript 出力形式が探す外部 (prologue) 定義ファイルの置き場所。 インストール時の作業により、gnuplot にはそれらのファイルのコピーが 組み込まれているか、または単にそれらのファイルのあるデフォルトのパスが 埋め込まれるかが変わります。カスタマイズした定義ファイルで postscript 出力を テストする場合は、この環境変数を使ってください。"help postscript prologue" 参照。
ファイル
- gnuplotrc
- gnuplot は、起動時に gnuplotrc というシステム全体用の 初期化ファイルを探します。 このファイルの、gnuplot が探そうとする標準的な置き場所は、 コマンド "show loadpath" で見ることができます。
- .gnuplot
- システム全体用の初期化ファイルを読み込んだ後で、 gnuplot は個人用の初期化ファイルを そのホームディレクトリ (HOME) 上で探します。 ここには、正しい gnuplot コマンドなら何を書いてもいいのですが、 一般的には、よく使う出力形式の指定や、線種の設定、 よく使う関数や変数の定義を設定する程度に抑えておきます。
- $XDG_CONFIG_HOME/gnuplot/gnuplotrc
- 他の初期化ファイルを読み込んだ後で、gnuplot は $XDG_CONFIG_HOME (デフォルトは ~/.config) のサブディレクトリ gnuplot 内に gnuplotrc という名前のファイルがあるかどうかをチェックします。
- fit.log
- コマンド "fit" によって出力されるログファイルのデフォルトの名前。
作者
元々の作者: Thomas Williams, Colin Kelley gnuplot バージョン 3.8 以降、ソース一式は、SourceForge 上で、 とても多くの寄与者によって共同で保守されています。
バグ
バグがあれば、SouceForge 上の bug tracker プロジェクトを使って報告してください。
参照
個々のコマンドの詳細については、印刷されたマニュアルやオンラインヘルプを参照。
プロジェクト Web サイト:
http://gnuplot.info
2020 年 2 月 1 日 | 4th Berkeley Distribution |